フリーランスのクリエイターが最初にぶつかる壁のひとつが、確定申告だ。
「なんとかなるやろ」と思っていたら、2月になって青ざめる。毎年このパターンを繰り返している人も多いはずだ。
確定申告で失敗する人には共通点がある。
逆に言えば、その構造を知っていれば、最初から回避できる。
この記事では、クリエイターが確定申告で詰まる典型的なパターンを整理する。
領収書を「あとで整理する」と決めている
確定申告で詰む人の大半は、領収書の管理ができていない。
「年末にまとめてやろう」と思っていたら、レシートがどこにあるかわからない。クレジットカードの明細を見ても、何に使ったか思い出せない。結果、経費として計上できるはずのものを計上できず、払わなくていい税金を払うことになる。
領収書は「あとで整理する」ではなく、「発生した時点で処理する」が正解だ。
具体的には、週に1回、決まった曜日に10分だけ時間を取る。レシートを撮影してクラウドに保存し、何の支出かメモを残す。これだけで、年末の地獄は消える。
完璧にやろうとしなくていい。週1回、10分。これが続く人は確定申告で詰まらない。
経費にできるかどうか、判断基準を持っていない
「これって経費になりますか?」という質問をよく見かける。
この質問が出る時点で、判断基準を持っていないということだ。判断基準がないと、本来経費にできるものを計上しなかったり、逆にグレーなものを入れすぎて税務調査で指摘されたりする。
経費の判断基準はシンプルだ。「その支出がなければ、売上を得られなかったか?」
パソコンは仕事に必要やから経費。Adobe CCも経費。仕事用の書籍も経費。取材のための交通費も経費。ここまでは迷わないはずだ。
問題は、仕事とプライベートが混ざるものである。
自宅で仕事をしている場合の家賃や光熱費。仕事にも使うスマホの通信費。クライアントとの食事。これらは「按分」という考え方で、仕事に使った割合だけ経費にできる。
たとえば、自宅の3割を仕事スペースとして使っているなら、家賃の3割を経費にできる。通信費も、仕事での使用割合を考えて按分する。
大事なのは「なぜその割合にしたか」を説明できることだ。根拠があれば経費になる。根拠がなければならない。判断基準はこれだけである。
売上の「発生」と「入金」を混同している
フリーランスの確定申告は、原則として「発生主義」だ。
これは、お金が振り込まれた日ではなく、売上が確定した日で計上するというルールである。
たとえば、12月に納品して請求書を出した仕事があるとする。入金は翌年1月。この場合、売上は12月に計上する。1月やない。
これを知らずに「入金ベース」で売上を計算していると、申告額がずれる。税務署は請求書や振込履歴を見ればすぐにわかるので、あとから指摘される可能性がある。
逆に、経費も発生主義だ。12月に買ったものは、支払いが1月でも12月の経費になる。
年をまたぐ取引がある人は、発生日と入金日を分けて記録しておく必要がある。会計ソフトを使っていれば自動で処理されるが、自分で管理している人は注意が必要だ。
「青色申告」の届け出を出していない
フリーランスには「白色申告」と「青色申告」がある。
青色申告には最大65万円の控除がある。ざっくり言うと、65万円分の利益に税金がかからなくなる。年収300万円のフリーランスなら、10万円以上の節税になることもある。
ただし、青色申告をするには事前の届け出が必要だ。開業届と一緒に「青色申告承認申請書」を出しておく必要がある。これを出していないと、どれだけ帳簿をつけていても白色申告しかできない。
届け出の期限は、開業から2ヶ月以内。または、その年の3月15日まで。これを過ぎると、その年は白色申告になる。
「届け出を出していなかった」という理由で、毎年10万円以上損している人は実際にいる。届け出は無料で、税務署に紙を出すだけや。やらない理由がない。
直前まで何もしない
確定申告の期限は3月15日だ。
2月に入ってから慌てて準備を始める人がいるが、これが一番危ない。領収書を探す時間、帳簿をつける時間、わからないことを調べる時間。すべてが足りなくなる。
結果、適当に数字を入れて提出することになる。経費を入れ忘れて損をするか、計算を間違えてあとから修正申告をするか。どちらにしても、余計な手間と損失が発生する。
確定申告は、1年かけて準備するものだ。
毎月、売上と経費を記録しておく。領収書を整理しておく。これをやっていれば、2月になっても慌てない。1年分を2週間でやろうとするから詰むのである。
会計ソフトを使っていない
手書きの帳簿やExcelで管理している人もいるが、正直おすすめしない。
会計ソフトを使えば、銀行口座やクレジットカードと連携して、自動で仕訳ができる。勘定科目も提案してくれるし、確定申告の書類もそのまま出力できる。
freeeやマネーフォワード、弥生など、フリーランス向けの会計ソフトは月額1,000〜2,000円程度だ。この金額で、年間何十時間もの作業時間と、計算ミスのリスクを減らせる。
「お金がもったいない」と思うかもしれんが、自分の時給を考えてほしい。帳簿付けに毎月2時間かかるなら、年間24時間。時給2,000円なら48,000円分の時間だ。月額1,500円のソフトで年間18,000円。差額の30,000円は、他の仕事に使える。
会計ソフトは経費になる。節税にもなるし、時間も浮く。使わない理由がない。
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まとめ:失敗せんために最初にやること
確定申告で失敗するクリエイターの共通点を整理した。
- 領収書を「あとで」にしている
- 経費の判断基準を持っていない
- 売上の発生と入金を混同している
- 青色申告の届け出を出していない
- 直前まで何もしない
- 会計ソフトを使っていない
逆に言えば、これを避ければ確定申告で詰むことはない。
最初にやるべきことは3つだ。
- 開業届と青色申告承認申請書を出す
- 会計ソフトを導入する
- 週1回、10分だけ経理の時間を作る
確定申告は、準備した人が楽になる仕組みである。2月に焦るか、1年かけて淡々とやるか。
選ぶのは自分だ。
ブログでは構造を、
noteでは判断基準をまとめています。
実務でそのまま使うための整理なので、必要な人だけ、参考にしてください。
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—— 銭ナッツ


